火山の神


風呂の配管がつまって、修理に来てくれたのが、マイルスという名の日系3世の男。

配管のつまりもすっかり取れて、コーヒーでもと誘って、一緒にコーヒーを飲んでいて、

話が心霊系の話になり、彼がポツリポツリと話してくれたマイルスの体験談をこんかいしょうかいします。

彼が生まれ育ったのは、ホノルルのあるオアフ島ではなく、ハワイ列島の中で一番新しくできたハワイ島で

そのなかでも、ヒロという古い町ではなく、彼の家があったのは、まだマグマが活発に活動している地域だった。

子供の頃から、山が火を噴いて、マグマが流れ出しているところなんか、日常のことだったので、

その日もいつもより煙が多いぐらいで、夜になり10時にはベッドに入った。

夜中の2時過ぎに、とてもきれいな女の人の声で、起こされたと言う。

「マイルス、マイルス、起きなさい。」

目を覚ますと、光り輝く女性が窓の外にいた。

「とにかく、夜中に電気もつけずに、部屋が明るくて、なんだろうと思ったら、その女性のひかりで

部屋の仲間で明るくなっていたんだ。」

マイルスは信じられないだろうが、本当なんだ。

話の途中に何度もそういった。

その女性は、マイルスがおきたのを確認すると、彼に微笑みかけた後、すごいスピードで、飛んでいって

火山の噴火口に突っ込んでいった。

そして近年にない大噴火が起こったのだ。

噴火で最初に火と水蒸気に混じって、先ほどの女性も天高く舞い上がったのを、

マイルスは、見たそうだ。

彼女は、火山の女神。

この話は、実はマイルスに聞いただけではなかった。

もうひとり、ジェーンと言う女の娘が、ハワイ島の大噴火のとき、光り輝く女性が

噴火口に飛び込んだのを見たとずいぶん前に聞いていたのだ。

そして、噴火後に女性が火山から飛び出している写真を見たことまである。

残念ながら、今手元にないが、手に入り次第紹介しよう。

その噴火でマイルスの家は燃えてしまった。

「あの時起こされなかったら、きっと一家全滅だった。」

だから、火山の女神に対して、今でも感謝している。

そう最後に言った。




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